これらの症状にお心当たりがある場合は、歯周病の可能性があります。
ご自宅の愛犬、愛猫のお口は健康ですか?
2歳以上の犬、猫の8割が歯周病に罹患していると言われています。
当院では『歯周病が進行したから治療をする』のではなく、『歯周病を進行させないように治療をする』ことが重要であると考えています。
当院では歯周病の予防、治療として病院での歯科処置をお勧めしています。
歯垢の中の細菌によって歯の周囲組織が炎症を起こす病気を歯周病といいます。
歯垢1gの中には約2500億個の微生物が含まれていると言われていて、これらの歯垢細菌が歯肉に常に触れることで歯肉炎、歯周炎を起こしていきます。
細菌が増えることで口臭が強くなり、炎症が進行することで痛みや出血を起こします。
さらに炎症が進むと、歯を支える顎の骨も破壊され、顎骨骨折や顔の腫れを起こすこともあります。
歯周病は放っておくと全身の病気を引き起こすことも知られています。口腔内の細菌が血管を通って全身に巡り、心臓、腎臓、肝臓などの臓器で感染、炎症を起こします。
歯周病の予防、治療をするには『病院での歯科処置』と『ご自宅でのケア』の2つが非常に重要です。
歯の表面に沈着してしまった歯垢、歯石を除去することでお口の中の歯周病菌を大幅に減少させます。特に最も歯周病の原因になりやすい歯周ポケット(歯と歯茎の隙間)の歯垢、歯石の除去は病院以外では難しいケアです。
歯周病が重度で残すことが難しい場合には、抜歯を行うことで周囲の歯を助けることにもつながります。
ある論文報告では1年に1回病院で歯石除去をしている犬は、していない犬と比べて死亡リスクが約20%低下することが明らかになっています。
歯周病の原因になる歯垢は毎日少しずつ溜まっていきます。歯垢は3-5日放置すると歯の表面で石灰化して、歯みがきでは取れない歯石になってしまいます。
歯ブラシでのブラッシングを中心とした毎日のデンタルケアで早めに歯垢を除去することが歯周病予防には非常に重要です。
どれだけ病院できれいに歯垢、歯石を除去しても、ご自宅で何もケアができないとすぐにお口の環境は元に戻ってしまいます。
当院では歯科専用のレントゲン装置を用いて歯周病の評価を行います。
歯周病が多い歯根部分は外からは見えないため、レントゲンでの評価はとても重要です。
レントゲンで重度の歯周病と判断され、残すことが困難な場合には抜歯も行います。
外見上は軽度に見えても、丸で囲んだ歯のレントゲンを撮ってみると歯周病で顎の骨の破壊が進行していることも!(黒く抜けている所が顎の骨が溶けてしまった部分です)
この症例は他の施設で無麻酔での歯石除去を受けていたため表面上はキレイでしたが、歯周ポケットのケアができていなかったため歯周病が進行していました。
デンタルユニットという歯科処置専用の機器を導入しており、効率の良い治療が可能です。
歯の表面の歯垢・歯石はもちろん、歯と歯肉の隙間、歯の裏側や細かい溝の汚れも丁寧に削り落とします。
歯周ポケット内の歯垢、歯石を除去(ルートプレーニング)し、歯周ポケット内の炎症を起こしている歯肉を取り除く(キュレッタージ)ことで歯周ポケットを浅く改善させることが可能です。最後に研磨剤で歯の表面を磨き、凹凸をなくすことで歯垢の再付着を防ぎます。
病院での歯科処置でお口をキレイにしても、そのまま何もケアをしなければ次第に口腔内の環境は元に戻ってしまいます。
歯垢は約3-5日で石灰化し、歯磨きでは取れない歯石になると言われています。
そのため日々の歯磨きで歯垢を取り除くことが、歯周病を防ぐ最大の予防になるのです。
当院では現状のケアの内容や動物の性格などに合わせて歯みがきのご指導や、デンタルケアグッズのご提案を行っています。どうしても歯みがきが難しい場合にはサプリメントや歯みがきガム、デンタルケア用の療法食をご提案することもあります。
当院での歯科処置は全身麻酔もしくは鎮静をかけて行います。
最近では一部の施設で無麻酔での歯石除去が行われています。確かに麻酔をかけないことは大変魅力的に感じますが、大きな欠点がいくつもあります。
外から見える部分の歯垢、歯石しか除去できないので、最も歯周病につながる歯周ポケットの歯垢、歯石の除去ができません。
外見上きれいになったように見えますが、最も重要な部分の汚れは除去できていないのです。
歯石除去の際には器具による細かいキズが歯の表面に生じます。
研磨剤で丁寧に研磨を行わなければ、このキズをきっかけに歯垢、歯石の再付着が起こりやすくなります。
通常歯石除去には多少なりとも痛みを伴います。また歯石除去に使うスケーラーは刃物の一種ですので、急に動物が動いた場合怪我につながる可能性もあります。
いくらお利口な動物でも、少なからず恐怖心やストレスを感じるはずです。
以上の理由から当院では無麻酔での歯石除去を行っておりません。
日本小動物歯科研究会やアメリカ獣医歯科学会でも同様の理由から無麻酔での歯石除去は推奨していません。
麻酔管理には十分注意をしておりますので、安全な麻酔で、確実な歯科治療を行いましょう。
まずはよくお話を伺い、全身の身体検査、口腔内のチェックをします。現在の歯周病の状態や歯科処置の必要性をきちんと評価し、歯科処置を行うかどうか、どのような処置が必要かをお話します。
全身麻酔のリスクやご費用など、ご家族の不安や疑問が解消できてから処置を行いますので、少しでも気になることがあれば何でもお伺いください。
麻酔を安全にかけられるか確認する重要な検査です。
血液検査やレントゲン検査で腎臓や肝臓、心臓、肺などの評価をします。検査内容は年齢、体調、基礎疾患によりご相談いたします。
基礎疾患がない場合、若齢の場合は手術当日に行うことも可能です。
午前中に診察し、夕方までお預かりです。朝ごはんを食べずにご来院ください。
お昼の手術時間に麻酔、鎮静をかけ歯科処置を行います。麻酔中は心拍数、血圧、換気、体温などをしっかりモニタリングしながら処置をします。
歯周病の状態をきちんと診断し、歯垢、歯石の除去、歯面の研磨と必要であれば抜歯を行います。
処置が終わったら、夕方のお迎えまで院内でゆっくり過ごします。
処置の内容を報告書にまとめてお渡ししておりますので、今後のケアの参考にしてください。
歯科処置できれいになった状態は『ゴール』ではなく、ご自宅でのケアの『スタート』です。
診断や治療内容に基づいて適切なケアの方法をご指導します。
歯科処置後も定期的にお口の状態のチェックを続けていきましょう。
検査費用 | |
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歯周病検査 | 2,200円(税込) |
口腔内レントゲン検査(要全身麻酔) | 11,000円(税込) |
治療費用 | |
軽度歯周病の歯科処置 | 20,900円(税込)〜 |
重度歯周病の歯科処置 | 33,000円(税込)〜 |
※別途麻酔前検査料がかかります(血液検査+胸部レントゲン検査:計14,000円)
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | |
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午前9:00~12:00 | ● | ● | 休 | ● | ● | ● | ● |
キャットアワー14:00~15:00 | ● | ● | 休 | ● | ● | ● | ● |
午後15:00~18:00 | ● | ● | 休 | ● | ● | ● | ● |
手術・往診12:00~15:00 | ● | ● | 休 | ● | ● | ● | ● |
※2021年11月15日より診療時間を一部変更しました
※キャットアワーは完全予約制の猫専用診察時間です。必ず事前にご予約の上ご来院ください。
168-0081 東京都杉並区宮前4-31-1
井の頭通り沿い
京王井の頭線「久我山駅」より徒歩10分
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受付時間:9:00〜19:00
初診の方はお電話にてご予約ください。